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宇宙

こんにちは、天文コラムニストの青田ちひろです。
ある天文学者が「天文学とは天の文学である」と言っていました。
まさにそのとおりです。
天体や宇宙についてのコラムを綴っています。

日食を楽しみました

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この写真、月みたいですが、太陽です。
2020年6月21日に日食があり、その時に撮影したものです。
見事な天体ショーで長い時間楽しめました。

日食を簡単に説明

太陽の前を月が横切り、月の影が地球から見える現象が日食ですよね。
太陽を隠すために、日中でも暗くなりますし、気温が下がることもあります。

それにしても、本当にきれいに欠けるものです。
2020年に日本で見えたのは、部分日食でした。
行くところに行けば、金環食が見られたそうです。

珍しい現象か?

天文学的に言えば、1年に2回程度は日食が起こりますのでそれほど珍しいものではありません。
プラネタリウムでも、日食に関するプログラムを上映しているところもあります。

ただし、この日は夏至でした。

夏至と日食が重なるのは372年ぶりです。
これはとっても珍しいと言っていいでしょう。

一番外側の惑星は?

天文ファンだと信じられないかもしれませんが、いまだに冥王星が惑星だと思っている人が多いようです。
海王星と答えずに、ついつい冥王星なんて答える人が。

惑星から準惑星に

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冥王星は2006年の国際天文学連合総会で惑星から準惑星にいわば降格させられました。
もともと天王星や海王星とはタイプが違うことはわかっていたのです。
そしてタイプが似ているケレスやエリスなどの仲間になりました。

太陽系の外縁天体という位置づけですが、2005年に発見されたエリスが冥王星よりわずかに大きかったのも一因でしょう。

多くの天文学者は仕方のないことだと感じました。

惑星でいてほしかった国

しかし冥王星が惑星から外れることに対して、おおいに反対した天文学者たちもいました。
一番多かったのはアメリカの天文学者です。

反対が大きかったのは、それまでに米国人が発見した唯一の惑星だったからです。

それでも賛成多数で冥王星は惑星から除外されました。

そういうわけで、太陽系で一番外側の惑星は海王星ですね。

ホルストの「惑星」

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イギリスの作曲家ホルストが作曲した管弦楽組曲「惑星」は、地球以外の各惑星をテーマにした曲です。
ですから、7曲構成の組曲です。

この「惑星」は冥王星が発見されるよりも前の作品なので、海王星がラストの曲です。

長い間、冥王星が入っていないことを不思議がられましたが、現在では帳尻があってしまいました。

惑星は8つ

現在、惑星は8つです。

水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星

惑星を分類すると次のようになります。

水星、金星、地球、火星が地球型惑星(岩石惑星、固体惑星)
木星と土星が木星型惑星(巨大ガス惑星)
天王星と海王星が天王星型惑星(巨大氷惑星)

以前は木星型惑星と天王星型惑星はひとくくりで木星型惑星でしたが、今では分けるのが主流のようです。

五島プラネタリウム

かつて、東京都渋谷区に五島プラネタリウムがありました。
渋谷駅前のドームはかなりインパクトのある建物でした。
2003年に解体されたのですが、老朽化が原因です。

五島プラネタリウムは、いわば伝説のプラネタリウムですね。
現在のコスモプラネタリウム渋谷の前身です。

コスモプラネタリウム渋谷

コスモプラネタリウム渋谷

当初、技術職だったのがMさんです。
仕事は、投影装置のメンテナンスだったそうです。
それほど忙しくはなかったと、本人がラジオ番組で語っていました。

やがて解説員を担当する人たちの仕事が忙しくなってきます。
メンテナンスのMさんだけは余裕がありました。

そこで解説員も担当しろと言われるようになったそうです。
最初はその気がなかったのですが、みんなにそう言われたので仕方なく解説員もはじめました。

何しろ、他の解説員の話を毎日聞いていたものだから、「かんどころ」なども憶えていたとのことです。

Mさんは、古希を過ぎた今でもコスモプラネタリウム渋谷で現役の名物解説員としてご活躍中です。

スーパームーンって何?

いつぐらいからでしょうか?
スーパームーンとやたらに言い出しました。
エクストリームスーパームーンとかエクストラスーパームーンとかもあるそうです。

月の軌道

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他の天体と同じように月も楕円軌道です。
月の軌道は地球を片方の焦点とした楕円ですから、近地点と遠地点では見た目の大きさが変わるのは当たり前のことです。

それをさも不思議な現象のように、さも貴重な体験ができたというようにありがたがるのはどうしたことでしょう。
しかも、そのような人に限って普段星も月も全く興味がなかったりするので面白いものです。

スーパームーンにお財布をかざしたことが原因で、裕福になった例はいまだかつてないようです。

月は地球の唯一の衛星です。(人工衛星は除く)
孫衛星はありません。(人工孫衛星は除く)

直径はおよそ3470キロメートルです。

地球からの距離は平均でおよそ38万4400キロメートル。
ここで「平均で」と表記されるところがポイントで、近くなったり遠くなったりします。

地球や月にはもちろん大きさがありますので、距離は地心距離で表現します。
地心距離とは地球の中心から天体(今回は月)の中心までの距離です。

2020年の地球と月の地心距離は
最も近い満月まで 約35万7000km
最も遠い満月まで 約40万6000km

これだけ違えば大きさも随分違って見えます。
近い時は視直径 33分27秒角
遠い時は視直径 29分25秒角

遠い時と比べると近い時は、14%ほど大きく見え、30%も明るく見えます。
もっとも両者を並べて比べることはないので、通常はあまり気が付かないでしょう。
(以上、国立天文台のホームページの情報による)

月の伝承

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月には多くの伝承があります。
「竹取物語」や「オオカミ男」の話はおなじみですよね。

世界中には月の女神もたくさんいます。
アルテミス、セレーネー、ルーナなどは特に有名です。
日本の神話では男神の月読尊ですね。

闇を照らすイメージもあれば、満ち欠けから再生のイメージもあります。
一方で、ルナティックの語源となったように不吉なイメージもあります。

そのようなイメージに左右されずに、科学的に「地球の衛星:月」と捉えることも大切なのでしょうね。

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